辞めると決めてから最初の 1 か月で決める 5 つ

独立の相談で一番多いのが「何から手を付ければいいか分からない」です。やることは多いのですが、締切があるものと、いつでもできるものに分けると急に整理できます。締切のある順に 5 つ並べます。
会社にいるうちにしかできないことが混ざっているのが、この時期の難しいところです。
1. 辞める日を決める(他の全部がここから逆算される)
先に日付を決めてください。健康保険も年金も失業給付も、すべて「退職日の翌日から何日以内」で動きます。日が決まらないと、他の 4 つが全部ぼやけます。
決めるときに見るもの。
- 賞与の支給日。支給日に在籍していることが条件の会社が多く、1 か月ずらすだけで手取りが変わります。
- 有給の残日数。買い取り義務はありません。消化するなら最終出社日と退職日が別になります。
- 社会保険料。月末に在籍しているかどうかで、その月の扱いが変わります。
2. 健康保険をどうするか決める(退職前に試算する)
判断そのものは退職後ですが、試算は在職中にしかできません。任意継続の保険料は会社の健康保険組合に聞かないと分かりませんし、辞めてからだと聞きにくくなります。
- 任意継続: 退職日の翌日から 20 日以内に申請。会社負担分がなくなるため保険料は上がりますが、上限があります。
- 国民健康保険: 市区町村の窓口。前年の所得で計算されるため、独立 1 年目は高くなりやすい。
退職前に両方の金額を出してもらい、紙に控えておいてください。詳しくは「会社員時代の保険・年金・福利厚生を、独立後にどう補うか」に書いています。
3. 就業規則を読む(競業避止と副業の条項)
辞めたあとに何ができて何ができないかは、就業規則と、入社時や昇進時に署名した誓約書に書いてあります。在職中のほうがコピーを取りやすいので、この時期に読んでおきます。
見るところは 3 つ。
- 競業避止義務の範囲(期間、地域、業務の範囲)
- 秘密保持の範囲と期間
- 退職後の顧客・従業員への勧誘の禁止
書いてあるからといってそのまま有効とは限りませんが、書いてある内容を知らずに動くのが一番危ないです。気になる条項があれば、この段階で弁護士に見てもらってください。
4. お金の借り入れと契約を済ませる(在職中しかできない)
会社員という肩書きは、信用情報の上では強い資産です。辞めた瞬間に、次の審査が通りにくくなります。
在職中に済ませておくもの。
- クレジットカードの作成・与信枠の引き上げ
- 住宅ローン、自動車ローンの借り入れ
- 賃貸契約、事務所の契約
- 健康診断(会社負担で受けられる最後の機会)
「独立 1 年目は実績がないので審査に通らない」というのは、多くの方が後から気づきます。
5. 伝える順番を決める(社内・取引先・家族)
誰にいつ言うかは、決めておかないと事故になります。
- 家族が最初。生活の前提が変わります。
- 直属の上司が次。同僚が先に知っている状態は避けます。
- 取引先は会社の合意の後。独断で挨拶に回ると、競業や引き抜きの話になりかねません。
引き継ぎを丁寧にやった人ほど、辞めたあとに仕事を紹介してもらえています。最後の 1 か月の振る舞いが、最初の 1 社につながります。
この回でやること
- 辞める日を仮でよいので決め、賞与支給日と有給残日数を確認する
- 健康保険の 2 案を会社と市区町村に試算してもらい、紙に控える
- 就業規則と誓約書のコピーを取り、競業避止・秘密保持・勧誘禁止の 3 か所に印を付ける
制度の数値と期限は 2026 年 9 月時点のものです。判断の前に、会社の健康保険組合と市区町村の窓口で確認してください。就業規則の条項の有効性については弁護士にご相談ください。
この記事は公開情報をもとに AI の補助で下書きし、PRONOWA 運営が確認・加筆しています。制度の数値と法令の扱いは 2026 年 9 月時点のもので、税理士・社労士の確認後に更新します。
