現状を数字で押さえる(資料の集め方と、見る順番)

 著者: PRONOWA 運営
F
左から右へ高くなる 8 本の棒。いちばん右だけが赤い
図版: PRONOWA(オリジナル)

インタビューで聞いた話は、相手から見た現実です。次は、数字で裏を取ります。

ここを飛ばして提案に進むと、前提が間違ったまま走ります。逆に、資料を集めすぎて 2 か月かけるのも失敗です。必要な分だけ、早くが原則です。

最初に頼む資料(多くの場合これで足ります)

資料 期間 何が分かるか
決算書(BS・PL) 3 期分 規模、傾向、どこに余裕がないか
月次試算表 直近 12 か月 季節変動、いつ締まっているか
部門別・商品別の売上 直近 12 か月 どこで稼いでいるか
組織図と人数 現在 誰がどこにいるか
業務の流れ(あれば) 現在 手戻りの場所

3 期分と 12 か月がひとつの目安です。1 期だけだと、その年がたまたまなのか傾向なのか分かりません。

もらえないときの扱い

決算書を出し渋られることがあります。ここで押さない。

  • 「出せない」と言われたら、なぜ出せないのかは聞かない
  • 代わりに、判断に必要な項目だけを聞く(売上規模、人数、粗利率の概算)
  • 秘密保持契約を先に結ぶ提案をする

信頼は資料と引き換えに得るものではありません。 最初は概算で始めて、進むにつれて開いてもらう。その順番のほうが結果的に早いです。

見る順番

  1. 人数と組織図。誰が何人いるかで、できることの上限が決まります
  2. 月次試算表の「締まった日」。決算の早さは、管理のレベルがそのまま出ます
  3. PL の推移。売上ではなく、粗利率と販管費の比率の変化を見ます
  4. BS の現預金と借入。時間の余裕がどれだけあるかが分かります
  5. 業務の流れ。ここで初めて、インタビューの話と突き合わせます

BS を先に見るのがコツです。現預金が薄い会社と、厚い会社では、提案できる打ち手がまったく違います。3 か月かかる改善は、資金が持たない会社には提案できません。

数字とインタビューが食い違ったとき

よくあります。「月次は 20 営業日」と聞いたのに、試算表は 10 日で締まっている。

このとき、どちらが嘘かを詰めないでください。 たいてい両方本当です。「試算表は 10 日にできるが、部門別の資料は 20 日かかる」のような事情が隠れています。

聞き方。「試算表は 10 日に締まっているようですが、20 営業日かかるとおっしゃっていたのは、どの部分でしょうか」

事実を示して、解釈を相手に委ねる。 これが食い違いの扱い方です。

現場を見る

資料だけで終わらせないでください。可能なら 1 回、実際の作業を見せてもらいます。

  • 作業している画面を、後ろから見る
  • 1 件処理するのにかかる時間を、時計で測る
  • 紙がどこに置いてあるかを見る

資料に出てこない手作業が、たいてい一番時間を食っています。 Excel から Excel への転記、印刷して押印して再スキャン。これは業務フロー図には書かれません。

まとめ方: 事実だけを 1 枚に

この段階の成果物は、提案ではなく事実の 1 枚です。

  • 数字(3〜5 個。規模、期間、件数、比率)
  • 流れ(どこで止まっているか)
  • 制約(人数、資金、システム、時期)

評価の言葉を入れない。 「遅い」「非効率」は書かず、「20 営業日」「転記が 3 回」と書きます。事実の紙を挟むと、そのあとの議論が驚くほど静かになります。

この回でやること

  1. 次の案件で頼む資料の一覧を、この記事の表から自分用に作る
  2. 見る順番を「人 → 締まった日 → PL → BS → 流れ」で固定する
  3. 現場の作業を 1 回、後ろから見せてもらう時間を取る

企業側が受け入れ準備として何を用意すべきかは「初めて外部の専門家に頼む前の 7 つ」に、月次が詰まる場所は「月次決算が遅れる会社に共通する詰まり方」にまとめています。

この記事は PRONOWA 運営の経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。