現状を数字で押さえる(資料の集め方と、見る順番)

インタビューで聞いた話は、相手から見た現実です。次は、数字で裏を取ります。
ここを飛ばして提案に進むと、前提が間違ったまま走ります。逆に、資料を集めすぎて 2 か月かけるのも失敗です。必要な分だけ、早くが原則です。
最初に頼む資料(多くの場合これで足ります)
| 資料 | 期間 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 決算書(BS・PL) | 3 期分 | 規模、傾向、どこに余裕がないか |
| 月次試算表 | 直近 12 か月 | 季節変動、いつ締まっているか |
| 部門別・商品別の売上 | 直近 12 か月 | どこで稼いでいるか |
| 組織図と人数 | 現在 | 誰がどこにいるか |
| 業務の流れ(あれば) | 現在 | 手戻りの場所 |
3 期分と 12 か月がひとつの目安です。1 期だけだと、その年がたまたまなのか傾向なのか分かりません。
もらえないときの扱い
決算書を出し渋られることがあります。ここで押さない。
- 「出せない」と言われたら、なぜ出せないのかは聞かない
- 代わりに、判断に必要な項目だけを聞く(売上規模、人数、粗利率の概算)
- 秘密保持契約を先に結ぶ提案をする
信頼は資料と引き換えに得るものではありません。 最初は概算で始めて、進むにつれて開いてもらう。その順番のほうが結果的に早いです。
見る順番
- 人数と組織図。誰が何人いるかで、できることの上限が決まります
- 月次試算表の「締まった日」。決算の早さは、管理のレベルがそのまま出ます
- PL の推移。売上ではなく、粗利率と販管費の比率の変化を見ます
- BS の現預金と借入。時間の余裕がどれだけあるかが分かります
- 業務の流れ。ここで初めて、インタビューの話と突き合わせます
BS を先に見るのがコツです。現預金が薄い会社と、厚い会社では、提案できる打ち手がまったく違います。3 か月かかる改善は、資金が持たない会社には提案できません。
数字とインタビューが食い違ったとき
よくあります。「月次は 20 営業日」と聞いたのに、試算表は 10 日で締まっている。
このとき、どちらが嘘かを詰めないでください。 たいてい両方本当です。「試算表は 10 日にできるが、部門別の資料は 20 日かかる」のような事情が隠れています。
聞き方。「試算表は 10 日に締まっているようですが、20 営業日かかるとおっしゃっていたのは、どの部分でしょうか」
事実を示して、解釈を相手に委ねる。 これが食い違いの扱い方です。
現場を見る
資料だけで終わらせないでください。可能なら 1 回、実際の作業を見せてもらいます。
- 作業している画面を、後ろから見る
- 1 件処理するのにかかる時間を、時計で測る
- 紙がどこに置いてあるかを見る
資料に出てこない手作業が、たいてい一番時間を食っています。 Excel から Excel への転記、印刷して押印して再スキャン。これは業務フロー図には書かれません。
まとめ方: 事実だけを 1 枚に
この段階の成果物は、提案ではなく事実の 1 枚です。
- 数字(3〜5 個。規模、期間、件数、比率)
- 流れ(どこで止まっているか)
- 制約(人数、資金、システム、時期)
評価の言葉を入れない。 「遅い」「非効率」は書かず、「20 営業日」「転記が 3 回」と書きます。事実の紙を挟むと、そのあとの議論が驚くほど静かになります。
この回でやること
- 次の案件で頼む資料の一覧を、この記事の表から自分用に作る
- 見る順番を「人 → 締まった日 → PL → BS → 流れ」で固定する
- 現場の作業を 1 回、後ろから見せてもらう時間を取る
企業側が受け入れ準備として何を用意すべきかは「初めて外部の専門家に頼む前の 7 つ」に、月次が詰まる場所は「月次決算が遅れる会社に共通する詰まり方」にまとめています。
この記事は PRONOWA 運営の経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。
