課題を 3 つに絞る(症状と原因を分ける)

インタビューと資料で、問題は 20 個くらい見つかります。経験のある方ほどよく見えます。
そして、20 個を並べた提案は通りません。 受け取った側が動けないからです。ここは絞る技術の話です。
症状と原因を分ける
まず、見つけたものを 2 列に分けます。
| 症状(見えているもの) | 原因(それを起こしているもの) |
|---|---|
| 月次が 20 営業日かかる | 証憑の回収が部署任せ/承認が 1 人に集中 |
| 経理担当が残業続き | 転記が 3 回ある/属人化して代われない |
| 資金繰りが読めない | 月次が遅い(=上の症状が原因になっている) |
症状は直接直せません。 「月次を早くする」は目標であって打ち手ではありません。直せるのは右側だけです。
そして、症状が別の症状の原因になっていることがあります。上の例なら、資金繰りの悩みは月次の遅さから来ています。この連鎖をたどると、上流の 1 つが 3 つの症状を消すことがあります。
絞り込みの 3 つの基準
20 個から 3 つを選びます。基準は次の 3 つです。
- 効果が大きいか(他の症状も一緒に消えるか)
- 早く結果が見えるか(3 か月以内に何か変わるか)
- 相手が実行できるか(人・金・時間の制約に収まるか)
3 番目が抜けがちです。正しい打ち手でも、その会社に実行する人がいなければ提案ではありません。 経理 1 名の会社に「担当を分けて相互牽制を」は成立しません。
3 つの並べ方
選んだ 3 つは、フラットに並べません。順番を付けます。
- 1 つ目: 30 日で結果が見えるもの。小さくてよい
- 2 つ目: 3 か月で効くもの。本命
- 3 つ目: 半年〜1 年。仕組みの話
1 つ目を小さくするのは、相手に成功体験を作るためです。最初の 30 日で何も変わらないと、そのあとの提案が通りにくくなります。これは相手の問題ではなく、進め方の設計の問題です。
「やらないこと」も書く
見つけた 20 個のうち、17 個は提案しません。それを黙って落とすのではなく、落としたと書きます。
今回は扱わないもの(理由つき)
- 原価計算の精緻化 … 効果は大きいが、まず月次が締まってから
- 経費精算システムの入替 … 費用対効果が現状では合わない
- 人員配置の見直し … 当方の役割の範囲外
これを書くと信用されます。 「見えているが、いまはやらない」と「見えていない」は、相手から区別がつきません。区別がつく形で渡すのが、外部の専門家の仕事です。
3 番目の「役割の範囲外」を明示するのも大事です。人事の話に外部の人が入らない線引きが、ここで見えます。
課題を相手の言葉に翻訳する
最後に、3 つの課題を相手が使っている言葉に直します。
- ✕「証憑回収プロセスの標準化」
- ○「請求書が営業部から経理に届くまでの決まりを作る」
社内で誰かが誰かに説明するときに、そのまま使える言葉かどうか。提案書は、あなたが読むものではなく、相手が社内で回すものです。
確認してから提案に進む
3 つに絞ったら、提案書を書く前に一度当ててください。30 分で足ります。
「見つかったのはこの 3 つだと考えています。優先順位はこの順で。ここまでで認識のずれはありますか」
ここでずれが見つかるほうが、提案書を出してからずれるより、はるかに安い。 そして、この 30 分を挟んだ提案は、ほぼ通ります。一緒に作ったものになるからです。
この回でやること
- 直近の案件で見つけた問題を、症状と原因の 2 列に分けてみる
- 3 つの基準(効果・速さ・実行できるか)で 3 つに絞る
- 「今回は扱わないもの」を理由つきで 3 行書く
企業側の受け入れ体制が整っていないと、3 番目の基準で落ちる打ち手が増えます。「初めて外部の専門家に頼む前の 7 つ」が、その確認項目です。
この記事は PRONOWA 運営の経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。
