辞める前の 1 か月が、最初の 1 社を決める

 著者: PRONOWA 運営
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離れた 2 つの岸を、赤い橋がつないでいる
図版: PRONOWA(オリジナル)

独立した方に「最初の仕事はどこから来ましたか」と聞くと、答えはほぼ 2 つに分かれます。前職の関係者からの紹介か、まったくの新規開拓か。そして前者のほうが圧倒的に多く、立ち上がりも早いです。

これは「コネがある人が有利」という話ではありません。辞める前の 1 か月の振る舞いが、そのまま結果に出るという話です。

やってはいけないこと(先に書きます)

  • 会社の顧客名簿を持ち出す
  • 在職中に、会社の顧客へ独立後の仕事を持ちかける
  • 引き継ぎを雑にして、後任が困る状態で辞める

3 つ目は法律の問題ではありませんが、影響はいちばん長く残ります。「あの人は最後がひどかった」という評判は、業界の中で 10 年残ります。逆に「最後まで丁寧だった」も同じだけ残ります。

1. 引き継ぎ資料を、後任が読める形で残す

自分のためではなく、後任のために書きます。口頭で伝えたことも文書にします。

これが効くのは、辞めたあとに後任から質問が来たときです。資料があれば「そこに書いてあります」で 5 分で済みます。無ければ 1 時間の電話になり、しかも無償です。

そして、丁寧な引き継ぎをした人には、後任からも上司からも連絡が来ます。その連絡が仕事になります。

2. 挨拶の順番を守る

社外への挨拶は、会社の合意を得てからです。順番を飛ばすと、それだけで競業や引き抜きの話になります。

挨拶の場では、独立後の営業をしないでください。「○月で退職します。長らくお世話になりました」で止めます。そこで売り込まないことが、次につながります。 売り込まれた側は身構えますが、身構えずに別れた相手のことは覚えています。

連絡先を交換するのは自然な範囲で構いません。名刺交換の延長です。

3. 実績を、会社の資料を使わずに書き出す

プロフィールや提案書の材料になるのは、会社の資料ではなくあなたの経験です。

書き出すときの形。

  • いつ(年)/どの業種・規模の会社で/何を担当し/何がどう変わったか

例:「2023 年、製造業・売上 30 億円・経理 4 名の会社で、月次決算を 20 日から 8 日に短縮」。数字を 1 つ入れると、読んだ企業が自分に置き換えられます。

社名は出せません。業種と規模で書きます。守秘義務に触れずに実績を語る書き方は、これが基本です。

4. 「何ができるか」ではなく「何を引き受けるか」で書く

会社員の職務経歴書は「できること」を並べます。独立後のプロフィールは違います。企業が読むのは「この人にいくらで何を頼めるか」です。

  • ✕「財務経理全般、月次・年次決算、税務申告対応、資金繰り管理」
  • ○「月次決算が遅れている会社に、週 1 日入って 3 か月で締めを早めます」

この書き換えは、辞める前の時間のあるうちにやっておくと楽です。詳しくは「企業が最初に見るプロフィール。書き方の 3 つのポイント」に書いています。

5. 最初の 3 か月の生活費を確保する

最初の入金までには時間がかかります。契約が決まってから、稼働して、請求して、入金されるまで。月末締め翌月末払いなら、着手から入金まで 2 か月は見ておく必要があります。

半年分の生活費があると、条件の悪い仕事を断れます。断れないと、安い仕事で埋まって営業する時間がなくなり、そのまま 1 年経ちます。手元のお金は、仕事を選ぶ自由そのものです。

この回でやること

  1. 引き継ぎ資料を、後任が読める形で書き始める
  2. 実績を「年・業種・規模・担当・変化した数字」の形で 5 件書き出す
  3. 最初の入金までの月数を数え、手元資金と突き合わせる

社外への挨拶は会社の合意を得てから行ってください。持ち出してよいもの・いけないものの線引きは、前の回「就業規則と競業避止義務の読み方」を先にお読みください。

この記事は PRONOWA 運営の経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。