守秘・情報の扱い・利益相反(複数の会社を持つときの線引き)

 著者: PRONOWA 運営
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離して置かれた 3 つの箱と、中央の閉じた赤い錠
図版: PRONOWA(オリジナル)

複数の会社と契約できるのが、外部人材の強みです。同時に、一番踏みやすい地雷でもあります。

1. 前の案件の話をどこまでしてよいか

答えは単純です。「特定できる形」にしなければよい、です。

  • ✕「A 社では、この業務に 3 人かけていました」(社名が出ている)
  • ✕「同じ市内の同業の会社では」(特定できる)
  • ○「従業員 50 名前後の製造業では、この業務に 2〜3 名かけている例が多いです」

境目は「その会社の、その情報かどうか」です。業種と規模に抽象化すれば、それはあなたの経験であって、相手の秘密ではありません。

営業の場面でも同じです。実績を語るときは「年・業種・規模・何をして・何が変わったか」で書きます。社名は出しません。社名を出して営業する人は、次の会社でも自分の社名を出されると思われます。

2. 同業他社を同時に受けてよいか

契約に競業や専属の条項がなければ、法律上は自由です。ただし実務では、受ける前に伝えるのが安全です。

判断の目安。

状況 扱い
業種が同じだが、商圏も顧客層も重ならない 多くの場合は問題になりにくい
直接の競合(同じ顧客を取り合う) 受ける前に両社へ相談。断ることも含めて検討
一方の入札・M&A・訴訟に関わる情報を持っている 受けない
契約に専属条項・競業条項がある 条項に従う

迷ったら、先に言う。 あとから知られたときの損失は、断ったときの損失よりはるかに大きいです。1 件の報酬より、業界内での評判のほうが長く効きます。

3. 情報の物理的な扱い

外部の立場では、情報の管理は自分の責任です。会社の情シスは守ってくれません。

  • 案件ごとにフォルダを分ける。同じフォルダに 2 社の資料を置かない
  • 端末にパスワードとディスク暗号化をかける
  • 共有ドライブのリンクを、期限なしで発行しない
  • 契約終了時に、預かった資料を返すか消す。消したことを一言伝える
  • 家族と共用の端末で作業しない

最後の「消したことを伝える」は、やっている人が少ないのに効きます。終わり方が丁寧な人には、次があります。

4. 生成 AI に貼らない

いまは全員が踏みやすい場所なので、独立させて書きます。

相手から預かった情報を、そのまま生成 AI に貼らない。 決算書、顧客名簿、契約書、社内メール。相手の許可なく外部サービスに渡した時点で、守秘義務の問題になります。

使うなら、次のどちらかにしてください。

  • 数値と固有名詞を外し、構造だけにして相談する
  • 契約先に「この範囲で AI を使う」と伝えて合意を取る

AI を使うこと自体が悪いのではありません。黙って渡すのが問題です。契約書に AI 利用の条項を入れる会社も増えています。

5. 契約が終わったあと

守秘義務は、契約が終わっても続くのが普通です。期間の定めがないことも珍しくありません。

終了時にやること。

  • 預かった資料の返却または削除(削除したら伝える)
  • 共有ドライブ・チャット・システムのアカウントから外してもらう
  • 手元に残す記録を決める(自分の作業記録は残してよいことが多いが、契約を確認する)

アカウントが残ったままになっている案件は、意外と多いです。残っていると、後から何かあったときに疑われるのは外部の人です。自分のために外してもらってください。

この回でやること

  1. いま受けている案件の中に、直接の競合が含まれていないか確認する
  2. 案件ごとにフォルダを分け、端末の暗号化を確認する
  3. 終了した案件で、アカウントが残っていないか 1 件ずつ確認する

守秘義務や利益相反の具体的な線引きは、契約内容と事案によります。判断に迷う場面が出たら弁護士にご確認ください。契約書で確認する項目は「業務委託契約を結ぶ前に決めておく 8 項目」にまとめています。

この記事は公開情報をもとに AI の補助で下書きし、PRONOWA 運営が確認・加筆しています。守秘義務や利益相反の具体的な線引きは契約内容と事案によります。必ず弁護士にご確認ください。