最初の 30 日の作法(誰に挨拶し、何を聞き、何を言わないか)

外部から入った人が「使える人」と思われるか「面倒な人」と思われるかは、たいてい最初の 1 か月で決まります。しかも、決めているのは経営者ではなく現場です。
1 週目: 聞く。直さない
初日に改善案を出したくなります。だいたい正しいのですが、出さないでください。
理由は 2 つ。まだ実態を知らないのと、現場が身構えるからです。外部の人が来た初日に「これは非効率ですね」と言えば、そのあと誰も本当のことを話さなくなります。
1 週目に聞くこと。
- いまのやり方になった経緯(いつから、なぜ)
- 実際に困っていること(聞かれていないのに出てきた話ほど重要)
- 過去に試して駄目だったこと
3 つ目が効きます。たいてい、あなたが思いつく改善案はすでに試されています。 なぜ駄目だったかを知らずに同じ案を出すと、一度で信用を失います。
2 週目: 小さく 1 つ直す
大きな改善は後回しにして、その週のうちに結果が見えるものを 1 つ選びます。
- 毎月手で作っている表を、1 つ自動化する
- 二重入力になっている箇所を 1 か所だけ止める
- 誰も見ていない資料を 1 つやめる
規模は問いません。「この人が入ると何かが軽くなる」という体験が先で、大きな話はそのあとです。
やめるものを 1 つ見つけるのが、いちばん喜ばれます。増やす提案は誰でもできます。
3〜4 週目: 全体像を出す
ここで初めて、見取り図を出します。1 枚にまとめます。
- いま何が起きているか(事実だけ。評価を混ぜない)
- どこから手を付けるか(3 つまで)
- それぞれ、誰が何をいつまでに
「できていない」ではなく「こうすると軽くなる」で書きます。 同じ内容でも、前者は批判、後者は提案として読まれます。外部の人が書いた批判は、社内では受け取りにくいものです。
挨拶の順番
- 契約の窓口になる人
- 実際に一緒に手を動かす現場の担当者
- その上長
- 隣接する部署
2 番を飛ばして 3 番から入る方が多いのですが、これは順番が逆です。実務を動かすのは現場で、決裁が上長です。現場を飛ばして上から入ると、決まっても動きません。
言わないほうがよい 5 つ
- 「前の会社では」— 前提が違います。同じ結論でも言い方を変えられます
- 「普通はこうします」— 「普通」は相手を否定する言葉として届きます
- 「なぜこうなっているんですか」(責める調子で)— 「経緯を教えてください」なら同じ意味で刺さりません
- 「それは私の仕事ではありません」— 範囲外なら「別途お見積りします」と言えば済みます
- 社内の人の評価 — 誰が優秀か、誰が働かないか。外部の人が言う立場にありません
5 つ目が一番大事です。外部の人は、社内の人事の話に一切関わらない。 これは作法というより、身を守る線引きです。
記録を残す
打ち合わせのあと、その日のうちに 5 行だけ送ります。
- 決まったこと
- 宿題(誰が、いつまでに)
- 次回の日程
社員なら口頭で済むことも、外部の立場では文字で残します。認識のずれが起きたときに、立場が弱いのは外部の人だからです。これは相手を疑っているのではなく、お互いを守る手続きです。
この回でやること
- 最初の 1 週間で聞く 3 つの質問を、自分の言葉で用意する
- 2 週目に直す「小さい 1 つ」の候補を、聞き取りの中から見つける
- 打ち合わせ後 5 行メモの型を作り、1 回目から使う
企業側が外部人材を受け入れるときの準備については「初めて外部の専門家に頼む前の 7 つ」もあわせてお読みください。相手が何を準備できていないかが分かります。
この記事は PRONOWA 運営の経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。
