在職中にしかできない手続きの一覧(辞めてからでは遅いもの)

独立して最初に驚くのが、「審査が通らなくなる」ことです。収入が下がったわけでもないのに、カードの更新が止まる、ローンの事前審査で落ちる。会社員という肩書きは、信用情報の上では資産として扱われていたということです。
やり直しの効かない順に並べます。
1. 住宅ローン(在職中に事前審査まで)
もっとも差が大きいのがここです。金融機関の多くは、自営業者に対して 2〜3 期分の確定申告書を求めます。つまり独立直後は、実績が出るまで 2〜3 年かかります。
家を買う予定があるなら、在職中に事前審査を通しておくのが現実的です。事前審査には期限があるので、時期は金融機関に確認してください。
2. クレジットカード(枚数と枠を確保する)
独立後もカードは作れますが、通りやすさは下がります。
- 事業用と個人用を分けるため、在職中にもう 1 枚作っておく
- 既存のカードの利用可能枠を引き上げておく
- 年会費のかかるカードは、使う見込みがあるものだけにする
事業用と個人用を分けるのは、確定申告のときに効きます。分けていないと、1 年分の明細から事業の支出を拾い出す作業が発生します。
3. 賃貸契約・事務所(保証会社の審査)
引っ越しや事務所を借りる予定があるなら、在職中に契約してしまうほうが確実です。保証会社の審査では、勤務先と勤続年数を見られます。
自宅を仕事場にする場合でも、賃貸契約で事業利用が禁止されていないかを確認しておいてください。屋号で郵便物を受け取れるかも、契約によって変わります。
4. 健康診断・歯科治療(会社負担の最後の機会)
会社の健康診断は、法律で会社に実施義務があるため無料で受けられます。独立すると自費です。
- 健康診断は、辞める直前の分まで受ける
- 人間ドックの補助があるなら使い切る
- 歯科治療など、途中で止めると面倒なものは在職中に終わらせる
独立 1 年目は、体調を崩したときの代わりがいません。 会社員のときは誰かが引き継いでくれたことが、そのまま止まります。
5. 退職金・企業年金の受け取り方を決める
一時金で受け取るか、年金として受け取るかで税金の扱いが変わります。会社の制度によっては、退職前に選択が必要なものもあります。
確定拠出年金(企業型 DC)に入っていた場合は、移換の手続きが要ります。期限は「退職後 6 か月」と言われがちですが、正しくは加入者の資格を喪失した日の属する月の翌月から起算して 6 か月以内です。3 月 31 日に退職したなら 4 月 1 日から数えて 9 月末までになります。放っておくと自動移換になり、運用の指図ができないまま手数料が引かれ、その期間は通算加入者等期間にも入りません。ここは忘れられやすい項目です。
6. 名刺・連絡先・実績の整理
持ち出してよいものといけないものの線引きは、次の回(就業規則と競業避止義務)で詳しく扱います。ここでは 1 点だけ。
会社の顧客名簿は持ち出せません。 ただし、自分の頭の中にある「誰と何をしたか」の記憶は消せません。実績の棚卸しは、会社の資料を持ち出さずに、自分の言葉で書き出しておいてください。それがそのままプロフィールの材料になります。
この回でやること
- 住宅ローンの予定があるなら、在職中に事前審査を通す
- 事業用に使うクレジットカードを 1 枚作る
- 企業型 DC に入っているか確認し、入っていれば移換の期限(資格喪失日の属する月の翌月から 6 か月)を手帳に書く
出典: 健康診断の実施義務と費用の負担は労働安全衛生法 第 66 条と厚生労働省の案内、企業型 DC の移換の期限は金融機関各社の案内(確認日: 2026-09-26)。審査の基準は金融機関ごとに違い、公表もされていません。ここに書いたのは一般的な傾向です。
ご自身の場合にどうなるかは、事情によって変わります。制度の当てはめで迷ったら、社会保険労務士・税理士や、加入先の窓口にご確認ください。最終的な判断はご自身の責任になります。
この記事は公開情報をもとに AI の補助で下書きし、PRONOWA 運営が確認・加筆しています。金融機関の審査基準は各社で異なり、公表もされていません。ここに書いたのは一般的な傾向です。
