止まったら困るものから決める。中小企業の事業継続計画
事業継続計画(BCP)は、作ることが目的になりがちです。分厚い計画書を作っても、実際に何かが起きたときには読まれません。
小さい会社が作るなら、止まったら困るものを 3 つ選び、そこだけ決める形にします。A4 で数枚に収まります。
1. 止まったら困るものを 3 つ選ぶ
全部を守ることはできません。優先順位を先に決めます。
問いは 1 つです。「これが 1 週間止まったら、会社はどうなるか」
- 主力製品の生産ライン
- 受注と出荷の処理
- 給与の支払い
- 特定の取引先への納品
- 顧客のデータ
3 つに絞ると、対策が具体的になります。
2. それぞれ、何があれば動くかを書く
選んだ 3 つについて、動かすために必要なものを並べます。
| 要るもの | 確かめること |
|---|---|
| 人 | 誰ができるか。その人しかできないなら、もう 1 人育てる |
| 場所 | 使えなくなったらどこでやるか |
| 設備 | 代わりはあるか。修理にどれくらいかかるか |
| 情報 | データはどこにあるか。戻せるか |
| 仕入先 | 1 社に頼っていないか |
**「その人しかできない」「その 1 社しかない」が見つかったら、そこが弱点です。**計画書を書くより、そこを 1 つ減らすほうが効きます。
3. 連絡の手順を決める
起きたときにまず要るのは、連絡です。
- 誰が誰に連絡するか(連絡網を 1 枚。紙でも持つ)
- 安否の確認の方法(電話がつながらない前提で、もう 1 つ用意する)
- 取引先への連絡の順番(売上の大きい順ではなく、止まると困らせる順)
社長が動けない場合に誰が代わるかを決めておきます。ここが空欄の計画が多いです。
4. 現金
災害のときも、給与と仕入の支払いは来ます。1 か月から 2 か月ぶんの支払いを、手元の資金と借入の枠でまかなえるかを確認します。
資金繰り表を作っていれば、すぐ分かります。作っていなければ、まずそこからです。
情報セキュリティも、同じ枠で考える
自然災害と同じように、システムが止まる、データが漏れる、という事態も起きます。備えは同じ形で決められます。
- バックアップを取っている。戻す練習を一度はしている
- 誰がどのデータを見られるかが決まっている
- 退職した人の権限が残っていない
起きたときの、最初の 24 時間
情報漏えいや事故が起きたとき、初動で決まります。やることは順番が決まっています。
- 広げない(該当の端末を止める、権限を切る。ただし記録は消さない)
- 記録する(いつ、誰が、何に気づいたか。時刻を残す)
- 範囲を確かめる(何が、どれだけ影響を受けたか)
- 知らせる(取引先、必要に応じて監督官庁や警察。個人情報が関わる場合は報告の義務があることがあります)
- 原因と再発防止(落ち着いてから)
1 で証拠を消してしまう失敗が多いです。電源を切る前に、何を保全するかを決めておきます。
個人情報の漏えいが起きた場合の報告の要否と期限は制度で定められています。具体は個人情報保護委員会の案内をご確認ください。
年に一度、30 分で見直す
作ったら終わりにしません。年に一度、30 分で、連絡網の名前と、選んだ 3 つが今も正しいかを確かめます。人が替わり、設備が変わり、取引先が変わります。
外部の専門家に頼む範囲
進行役と、弱点の見つけ方を外部に頼み、中身は社内で決める形が多いです。計画書を外部が書くと、誰も中身を覚えていないという状態になります。
出典: 本記事は運営の実務経験をもとにした整理です。報告の義務と期限は制度で定められており、改正されるため、具体は所管の官公庁の案内をご確認ください(確認日: 2026-09-25)。
この記事は運営の実務経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。
