基幹システムの入れ替えで、先に決めておく 5 つ
基幹システムの入れ替えでよく起きるのは 3 つです。入れたのに使われない。費用が当初の見積より膨らむ。現場が反対して止まる。
どれも、選ぶ前に決めていないことが原因です。先に決める 5 つを並べます。
1. 何のために入れ替えるのか(1 文で書く)
「古いから」では、選ぶ基準になりません。次のどれかに言い換えます。
- 月次を早めたい
- 在庫の数を正しくしたい
- 二重入力をやめたい
- 拠点が増えても同じ形で回したい
- 担当者が替わっても回るようにしたい
**1 文に絞ります。**複数を並べると、全部を満たす製品を探すことになり、値段が上がり、導入が長くなります。
2. 変えないものを決める
システムに合わせて業務を変えるか、業務に合わせてシステムを作り込むか。全部を作り込むと、費用も保守も膨らみます。
先に、譲れない業務を 3 つだけ決めます。それ以外は、システムの標準に合わせます。
「うちは特殊だから」という説明が出たら、なぜ特殊なのかを確かめます。特殊なのではなく、昔の事情がそのまま残っているだけのことが少なくありません。
3. 誰が決めるか
導入が止まる会社では、決める人がはっきりしていません。
| 役割 | 誰か |
|---|---|
| 最終的に決める | 社長、または担当役員 |
| 業務の中身を決める | 各部門の実務担当(部門長ではなく、実際に使う人) |
| 進行を管理する | 1 人。兼任でよいが、時間を確保する |
| 相手の窓口 | ベンダーの担当者 |
進行を管理する人に時間を与えないまま始めるのが、いちばん多い失敗です。通常業務の片手間では回りません。
4. 費用は、初期だけで見ない
見積で比べるのは初期費用ですが、実際にかかるのはその後です。
- 毎月・毎年の利用料と保守料
- 追加の開発が必要になったときの単価
- 社内の担当者がかける時間
- 古いシステムからのデータ移行
- 教育(使い方を覚えてもらう時間)
**5 年ぶんで比べます。**初期費用が安い提案が、5 年で見ると高いことがあります。
5. やめるときのことを決める
いつか入れ替えます。そのときに困らないよう、契約の前に確認します。
- データを、自社が読める形で取り出せるか
- 取り出しに費用がかかるか
- 契約を終えたあと、データはいつまで残るか
ここを確認しない契約が多いです。入れ替えのたびに、前のデータが取り出せず捨てることになります。
進め方
- いまの業務の流れを書き出す(別の記事にまとめています)
- 目的を 1 文にする。譲れない業務を 3 つ決める
- 要件を文書にして、複数社に同じ条件で見積を取る
- 実際に使う人が、画面を触って確かめる
- 一部の部署・一部の業務から始める
**5 が効きます。**全社で一斉に切り替えると、問題が出たときに戻せません。
情報セキュリティの最低限
入れ替えのときに、あわせて整えます。
- 誰がどのデータを見られるか(権限)
- バックアップが取れていて、戻せることを試したか
- 持ち出しの扱い(個人の端末、外部サービス)
バックアップは、取っているだけでは足りません。戻す練習を一度はしておきます。
外部の専門家に頼む範囲
ベンダーは、自社の製品を売る立場です。要件を作る側に、自社の味方を 1 人置くと、比較の目線が保てます。業務改革・IT の経験者に、要件の作成と選定の進行だけを頼む形が多いです。
出典: 本記事は運営の実務経験をもとにした整理で、外部統計の引用はありません(確認日: 2026-09-25)。
この記事は運営の実務経験と公開情報をもとに AI の補助で下書きし、運営が確認・加筆しています。
